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長引く風邪には葛根湯より他の漢方薬を選ぶ方がいい!?

寒さが一段と厳しくなる12月は暦では師走(しわす)ともいいます。師走の語源は諸説ありますが、文字通り師(僧侶や先生など)も走る何かとバタバタする時期であり体調も崩しがちで、ひいた風邪がなかなか良くならない・・・ということもあります。


漢方薬は、風邪にも有用な薬で、葛根湯(カッコントウ)などの漢方薬が使われます。
葛根湯は通常「ひきはじめ(初期)の風邪」に有効とされますが、長引く風邪の症状には不向きとなる場合も考えられます。
特に長引く風邪によって体力が低下している状態では、補剤と呼ばれる体に足りないものを補う漢方薬が有用となる場合があります。


補剤の中でも補中益気湯(ホチュウエッキトウ)は、長引く風邪によって食欲が落ち、だるさなどの倦怠感があるような症状に対して改善効果が期待できます。
補中益気湯は、風邪以外にも暑気あたり(夏ばて)や手術後の体力低下など色々な場面で効果を発揮する漢方薬です。慌しく十分な休養も取りづらいこの季節、なかなか良くならない風邪の症状に漢方薬を考えてみるのも一つの方法です。



★腕試し
漢方薬に関して次の記述から正しいものを1つ選びなさい。

  1. 漢方薬の成分となる生薬は自然の植物成分を由来とする薬である。
  2. 一般的に漢方薬の副作用は軽度と考えられ、副作用があらわれたとしても重篤なものになることはない。
  3. 長引く風邪の症状には葛根湯(カッコントウ)や麻黄湯(マオウトウ)が効果的とされる。
  4. 比較的胃腸が弱い体質の場合、葛根湯(カッコントウ)や小青竜湯(ショウセイリュウトウ)などの漢方薬の服用では特に注意が必要となる。
  5. 漢方薬は一般的に副作用が少ない薬とされるため自己判断で複数の漢方薬を同時に服用しても問題がない。

↓解答・解説はこちら↓

  1. 漢方薬の成分となる生薬は自然の植物成分を由来とする薬である。
    ⇒「×」植物以外にも動物や鉱物を由来とする生薬もあります。
  2. 一般的に漢方薬の副作用は軽度と考えられ、副作用があらわれたとしても重篤なものになることはない。
    ⇒「×」 漢方薬の中にも間質性肺炎など重篤な副作用を引き起こす可能性がある薬も存在します。重篤な副作用があらわれることは稀とされるが注意は必要です。
  3. 長引く風邪の症状には葛根湯(カッコントウ)や麻黄湯(マオウトウ)が効果的とされる。
    ⇒「×」 通常、葛根湯や麻黄湯はひきはじめ(初期)の風邪の症状に適するとされます。
  4. 比較的胃腸が弱い体質の場合、葛根湯(カッコントウ)や小青竜湯(ショウセイリュウトウ)などの漢方薬の服用では特に注意が必要となる。
    ⇒「○」葛根湯や小青竜湯などは比較的、胃腸障害を引き起こしやすいです。
  5. 漢方薬は一般的に副作用が少ない薬とされるため自己判断で複数の漢方薬を同時に服用しても問題がない。
    ⇒「×」医師の指示の下などで治療上必要のため複数の漢方薬を併用することはありますが、生薬成分が重複することなどにより体に不利益を与える可能性があるため、自己判断で複数の漢方薬を服用することは危険です。
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