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第20回 目薬をさした後に苦みを感じたら要注意かも!?

目薬を処方された時、医師や薬剤師などから、「目薬をさした後に、しばらく目を閉じて目頭(正確には眼と鼻の間の部分)を軽く指で押さえるとより効果的ですよ」というような説明を受けた経験があるかもしれません。


目頭(鼻に近い端)付近には、目と鼻をつなぐ鼻涙管という細い管があります。 点眼された薬液の一部は、この鼻涙管を通って鼻(鼻腔)に移行します。
鼻腔は、口(口腔)とつながっているため、目薬をさした後に少し苦みを感じたりすることがあるのはこれが主な原因と考えられます。


目から鼻へ移行した薬液が、鼻腔粘膜から毛細血管へ移行する量や口腔内へ移行する薬液の量はわずかかもしれませんが、薬液の成分などによっては、局所だけに留まらず、全身作用があらわれる可能性もゼロではありません。


実際に、緑内障の治療薬であるβ(ベータ)遮断薬という薬の多くは、喘息(気管支喘息)を持病に持つ人には、特に注意が必要な薬になっています。
この薬は、主に眼圧を下げる作用をあらわしますが、交感神経に関わるβ受容体が遮断(阻害)されることで、気道が狭まり呼吸がしづらくなることも考えられるからです。
もちろん点眼薬ですので、飲み薬などに比べれば全身作用があらわれる可能性は、かなり低いとされていますが、注意は必要とされています。
「点眼後に目頭を押さえる」行為は、点眼された薬液がしっかりと局所に留まることに加え、全身作用のリスクはさらに抑え、より安全に使う工夫でもあるのです。



★腕試し
製剤による薬の吸収に関する次の記述の内、正しいものを選びましょう。

  1. 初回通過効果とは、経口投与された医薬品が大腸から吸収されて代謝を受け、さらに門脈から肝臓に入り代謝を受けてから全身の循環血液へ入ることで、薬物の血中濃度が低下する現象のことである。
  2. 点眼薬や貼付剤などの外用剤は局所的に作用があらわれ全身作用はあらわれない。
  3. 口腔内崩壊錠は口の中で唾液によって比較的速やかに溶け、水なしでも飲めるメリットがある。
  4. 点鼻薬は鼻腔粘膜から薬剤が比較的よく吸収されるため、使用前に鼻をかんで鼻腔内をきれいにしておく必要はない。
  5. 皮膚に用いる外用薬は、使用部位(適用部位)で吸収されるため、全身性の副作用は生じない。

↓解答・解説はこちら↓

  1. 初回通過効果とは、経口投与された医薬品が大腸から吸収されて代謝を受け、さらに門脈から肝臓に入り代謝を受けてから全身の循環血液へ入ることで、薬物の血中濃度が低下する現象のことである。
    ⇒「×」 「大腸」ではなく正しくは「小腸」から吸収されます。
  2. 点眼薬や貼付剤などの外用剤は局所的に作用があらわれ全身作用はあらわれない。
    ⇒「×」 外用薬においても全身作用があらわれる可能性はあります。
  3. 口腔内崩壊錠は口の中で唾液によって比較的速やかに溶け、水なしでも飲めるメリットがある。
    ⇒「○」 他に誤嚥を防ぐメリットなども考えられます。
  4. 点鼻薬は鼻腔粘膜から薬剤が比較的よく吸収されるため、使用前に鼻をかんで鼻腔内をきれいにしておく必要はない。
    ⇒「×」 通常、点鼻薬を使う前には鼻をかむなどして鼻腔内をきれいな状態にしてから点鼻行為を行います。
  5. ⑤ 皮膚に用いる外用薬は、使用部位(適用部位)で吸収されるため、全身性の副作用は生じない。
    ⇒「×」 通常、皮膚から循環血液中へ移行する量は比較的少なく全身性の副作用はあらわれにくいですが、使用する部位の面積や使用量、使用回数などによっては全身性の副作用があらわれる可能性もあります。
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